6月の東京十二木【欅(けやき)】

6月の東京十二木【欅(けやき)】

東京十二木の十二樹種

6月 欅:けやき

欅(ケヤキ)は、特に関東地方の土質(関東ローム層)に馴染み、東京都府中市の大國魂神社や表参道のケヤキ並木などが名所として知られる。このため「武蔵野」のイメージが強いが、仙台市の青葉通りの並木で知られる宮城県や福島県の県木でもある。

関東近郊に立派なケヤキが多いのは、徳川幕府がその植栽を奨励したことにちなむ。江戸時代には橋げたや船、海苔を養殖する粗朶(そだ)作りに使われ、その後も立派なケヤキのある家は格式が高いとされた。
通常は樹高25m、直径2m程だが、大きな木では樹高30m、直径5mにもなり、天然記念物として保護される巨樹が各地にある。枝は空へ向かって扇型に広がり、下枝(横枝)が少ないため、人が集う場所に木陰を作る木として使われる。

欅(ケヤキ)材は古くから日本家屋や社寺仏閣の建築材、家具材に使用されてきた。乾燥が済んだ木材は、強度、耐久性に優れるため、京都の清水寺など名だたる神社仏閣の柱、江戸城の残存物として重要文化財に指定されている「田安門」や「清水門」にも利用されている。

また欅(ケヤキ)材が好まれるる理由は「特徴的で力強い木目」、成長過程で発生する瘤などによる「杢」、そして十分に乾燥させた材を磨いた際に現れる「ツヤ」などの要素が絡み合い、「世界に一つしかない表情」を持つことにある。 特に「玉杢」や「牡丹杢」「如輪杢」と呼ばれる模様の入ったケヤキは価値が高く、一枚板のテーブルや、お盆・お椀といった伝統工芸品に使われる。

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