最大100万円の補助金を受け取れる「子育てエコホーム支援事業」の利用条件や申請方法をまとめて解説!
自分たちの好きな内装・デザインの家に住めて、家族構成が変わっても使い続けられるのが魅力のマイホーム。結婚・出産といったライフステージの変化に応じて新築のマイホーム購入を検討する方も多いのではないでしょうか。そんな新築のマイホームを購入する際は、やはり少しでも資金面の負担を減らしたいもの。そんな時に利用できる、補助金制度や助成金制度があれば、利用したいと考えている方もいるでしょう。
そこで本記事では、子育て世帯と若者夫婦世帯を対象とした「子育てエコホーム支援事業」制度について解説します。具体例を挙げながら受け取れる補助金の金額や申し込みの流れを紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
子育てエコホーム支援事業とはどんな制度? 概要を紹介
「子育てエコホーム支援事業」は、物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯と若者夫婦世帯を主な対象とした制度です。資金面の援助を通じて省エネ性能に優れた新築住宅の購入やリフォームを進め、2050年にカーボンニュートラルを実現することを目的に創設されました。
「子育てエコホーム支援事業」の予算や補助対象事業といった概要は、以下の表の通りです。
事業名 | 子育てエコホーム支援事業 |
予算 | 令和5年度補正予算:2,100億円 令和6年度当初予算案:400億円 |
工事の依頼先 | 子育てエコホーム支援事業に登録している「エコホーム支援事業者」に工事を依頼する |
補助対象事業 | 注文住宅の新築、新築分譲住宅の購入、リフォーム |
対象者 | 子育て世帯、若者夫婦世帯 |
対象期間 | 契約日:期間は問わない 補助対象工事の着手期間:2023年11月2日以降 交付申請期間:2024年3月中旬~予算上限に達するまで 完了報告期間(戸建て住宅の場合):交付決定~2025年7月31日まで ※交付申請期間は遅くとも2024年12月31日まで |
子育て世帯とは、交付申請時点で子どもがいる家庭です。子どもの年齢は2023年4月1日時点で18歳未満を対象としています。若者夫婦世帯は、交付申請時点で既に夫婦になっており、2023年4月1日時点でどちらか一方が39歳以下である家庭を指します。
ただし2024年3月末までに工事に取り掛かっている場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯ともに年齢の要件が変化するため要注意です。子どもの年齢は2022年4月1日時点で18歳未満、夫婦の年齢は2022年4月1日時点でどちらか一方が39歳以下であることが求められます。
「子育てエコホーム支援事業」を利用する際はまず対象者の年齢を確認し、自分たちは補助対象なのかをしっかり判断しておきましょう。
子育てエコホーム支援事業の対象事業は3種類!それぞれの条件を解説
「子育てエコホーム支援事業」の対象事業は、注文住宅・新築分譲住宅・リフォームの3種類です。それぞれ補助金を受け取るための条件が設けられているので、工事に取り掛かる前に確認しておきましょう。注文住宅と新築分譲住宅は条件がよく似ているため、まとめて解説します。
注文住宅・新築分譲住宅
注文住宅とは、自分たちの好みや家族構成に合わせて、間取り・設備・デザインなどをオーダーできる住宅のこと。建築会社が既に建設したものを購入する新築分譲住宅と比べると、自由度が高いのが特徴です。
両者とも一戸建ての住宅である点に変わりはないため、「子育てエコホーム支援事業」の条件にも共通点がいくつもあります。注文住宅・新築分譲住宅の購入で「子育てエコホーム支援事業」を利用する際の共通の条件を、以下にまとめてみました。
- 子育て世帯・若者夫婦世帯のいずれか
- エコホーム支援事業者と契約を結んで住宅を購入する
- 証明書等で長期優良住宅に該当することが確認できる
- 証明書等でZEH住宅に該当することが確認できる
- 購入者たちが住む
- 住戸の床面積は50平米以上240平米以下
- 土砂災害防止法に基づく、土砂災害特別警戒区域又は災害危険区域に建っていない
- 都市再生特別措置法第88条第3項の規定による勧告に従わなかったことが公表されていない
- 交付申請時に一定以上の出来高の工事完了が確認できる
新築分譲住宅には上記以外にも、「不動産売買契約締結時点で、未完成もしくは完成から1年以内であり、まだ誰も住んでいないこと」が条件に加えられます。いずれにせよ住宅の性能や広さなどは一定の水準を満たすことが求められるため、着工前にエコホーム支援事業者等と綿密に相談しておきましょう。
出典:子育てエコホーム支援事業|注文住宅の新築
出典:子育てエコホーム支援事業|新築分譲住宅の購入
リフォーム
既に住んでいる自宅を省エネリフォームするときも、「子育てエコホーム支援事業」を利用できます。リフォームする場合は、子育て世帯・若者夫婦世帯でなくても条件さえ満たせば補助金を受け取れますよ。リフォームする際に「子育てエコホーム支援事業」を利用する条件は、以下の3点です。
- エコホーム支援事業者と契約を結んで工事をする
- リフォームする住宅の所有者等である
- 子育てエコホーム支援事業の補助対象となるリフォーム工事を行う
「子育てエコホーム支援事業」の補助対象となるリフォーム工事と、対象外の工事の内容の例は以下の通りです。
補助対象 | いずれか必須 | ・開口部の断熱リフォーム ・外壁・屋根・天井・床の断熱リフォーム ・エコ住宅設備の設置 |
必須の工事と同時に行う際は補助対象となる | ・子育て対応リフォーム ・防災性向上リフォーム ・バリアフリー化 ・空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置 ・リフォームに関する保険等への加入 | |
補助対象外の工事の例 | ・店舗併用住宅等の、住宅部分以外のリフォーム ・屋外に設置した手すりの工事 ・太陽光発電システムの設置 ・リース設備や中古品を使う工事 |
例えば子育て対応リフォームを行いたい場合は、表の「いずれか必須」の3つから最低1つは工事を選ばなければなりません。補助対象外の工事の内容はまだたくさんあるので、詳しくは契約を結んだエコホーム支援事業者と相談しながらリフォームの計画を立ててみてください。
最大100万円受け取れる!子育てエコホーム支援事業の補助金額の上限と計算法を解説
「子育てエコホーム支援事業」の補助金額の上限は、1つの住宅につき最大100万円です。住宅を建設する場所によって補助額が変わる場合があるので、場所選びの参考にすると良いでしょう。注文住宅と新築分譲住宅は補助金額がほぼ同じなため、まとめて解説します。
注文住宅・新築分譲住宅
注文住宅と新築分譲住宅の補助金額の上限は、住宅の種類によって異なります。住宅の種類ごとの補助金額の上限は、以下の通りです。
住宅の種類 | 上限額 |
---|---|
長期優良住宅 | 100万円/住戸 ※市街化調整区域、土砂災害警戒区域または浸水想定区域に立地している場合は50万円/住戸 |
ZEH住宅 | 80万円/住戸 ※市街化調整区域、土砂災害警戒区域または浸水想定区域に立地している場合は40万円/住戸 |
長期優良住宅は長期間良い状態で済み続けられるよう、構造を工夫したり維持保全のしやすさに配慮したりしている住宅のことです。ZEH住宅は断熱性の向上や、省エネ設備の設置などを行っている住宅を指します。自分たちが求める住宅の性能や、住宅の取得費などと照らし合わせながら建設する住宅の種類を選んでみましょう。
出典:子育てエコホーム支援事業|注文住宅の新築
出典:子育てエコホーム支援事業|新築分譲住宅の購入
リフォーム
リフォームを行う際の「子育てエコホーム支援事業」の補助金額の上限は、1戸あたり20万円です。ただし、下記の条件を満たす場合は上限が引き上げられます。
- 子育て世帯もしくは若者夫婦世帯である
- 既存住宅を購入してリフォームする、もしくは長期優良住宅の認定を受ける
引き上げられた後の補助金額の条件は、以下の表の通りです。
世帯の種類 | リフォームの内容 | 1戸あたりの上限額 |
---|---|---|
子育て世帯もしくは若者夫婦世帯 | 既存住宅を購入してリフォームする | 60万円 |
長期優良住宅の認定を受ける | 45万円 | |
その他の世帯 | 長期優良住宅の認定を受ける | 30万円 |
上記以外のリフォーム | 20万円 |
住宅をリフォームする際、子育て世帯と若者夫婦世帯は特に上限額が大幅に引き上げられています。子育て「子育てエコホーム支援事業」は予算が尽き次第受付を終了するため、リフォームしたい箇所がある方は早めに行動するのがおすすめですよ。
注文住宅の新築で子育てエコホーム支援事業を申請する手順
「子育てエコホーム支援事業」を利用する際は、「エコホーム支援事業者」という特定の業者に依頼する必要があります。書類の提出や補助金の申請といった手続きはエコホーム支援事業者が担当してくれるので、専門的な知識がない方も気軽に利用することが可能です。
注文住宅を新築で「子育てエコホーム支援事業」を利用する際は、以下のような流れで補助金を受け取れます。今回紹介するのは、交付申請の締切前(2024年12月31日まで)に完了報告を提出するケースです。
- エコホーム支援事業者に問い合わせる
- エコホーム支援事業者と契約を結ぶ
- 工事開始
- エコホーム支援事業者が補助金の交付申請の予約を行う(任意)
- 一定以上の出来高の工事完了
- エコホーム支援事業者が補助金の交付申請を行う
- 対象工事に取り掛かる
- 補助金の交付決定の通知を受け取る
- 注文住宅の竣工・引渡し
- エコホーム支援事業者が完了報告・実績報告を行う
- 補助金の支払い
補助金の交付申請の予約は任意ですが、建物が完成する前に補助金の枠を確保できます。「子育てエコホーム支援事業」の予算が尽きないか心配なときは、予約しておきたい旨をエコホーム支援事業者に伝えておくのも良いでしょう。予約の締切は、2024年11月30日です。
申請に必要な書類
「子育てエコホーム支援事業」の補助金を申請する際は、さまざまな書類の提出が求められます。注文住宅を新築する際の手続きの内容ごとに必要な書類を、以下の表にまとめてみました。
手続きの内容 | 必要書類 |
---|---|
交付申請の予約 | ・子育てエコホーム支援事業補助金共同事業実施規約(新築用) ・工事請負契約書 ・確認済証 ・建築確認申請書 ・住民票の写し等 ・住宅の性能を証明する住宅証明書等 |
一定以上の出来高の工事完了 | ・工事出来高確認書 |
交付申請 | ・子育てエコホーム支援事業補助金共同事業実施規約(新築用) ・工事請負契約書 ・確認済証 ・建築確認申請書 ・住民票の写し等 ・住宅の性能を証明する住宅証明書等 ・子育てエコホーム支援事業補助金工事出来高確認書 ※予約時に提出した書類は再提出しなくて良い |
完了報告 | ・検査済証 ・建築主等が新築住宅に入居したことが確認できる住民票 ・不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本(共同住宅のみ) |
書類の作成と申請はエコホーム支援事業者や建築士などが担当するため、基本的には住宅を購入する人が難しい手続きをする必要はありません。もしかすると書類の作成に必要な資料の提出を求められる可能性があるので、気持ちの準備だけしておくと良いでしょう。
申請のスケジュールの例を紹介
ここでは、「子育てエコホーム支援事業」を利用して注文住宅を新築する場合のスケジュールの例を紹介します。
日付 | |
---|---|
2024年6月1日 | エコホーム支援事業者と契約を結ぶ |
2024年10月1日 | 工事開始、補助金の交付申請の予約を行う |
2024年12月1日 | 一定以上の出来高の工事完了、補助金の交付申請を行う |
2025年4月1日 | 住宅の完成・引渡し、完了報告・実績報告を行う |
2025年4月1日以降 | 補助金の受け取り |
注文住宅を新築する際は、工務店や建設会社と契約したらすぐに工事に取り掛かれるわけではありません。住宅を建てる土地探しや間取りの決定などを経て、ようやく工事を始められます。状況にもよりますが、契約から工事開始までに数カ月かかるケースもあるため、早めに行動に移すのがおすすめです。
子育てエコホーム支援事業は他の補助金制度と併用できる?
「子育てエコホーム支援事業」は、他の補助金制度と併用できる場合があります。「子育てエコホーム支援事業」と併用できるのは、地方公共団体が用意している補助金制度のうち、国費が使われていないものです。詳しくは、自治体の相談窓口で相談してみると良いでしょう。
「子育てエコホーム支援事業」と併用できない補助金制度としては、国費が使われている地方公共団体の補助金制度、「先進的窓リノベ2024事業」「給湯省エネ2024事業」「賃貸集合給湯省エネ2024事業」が挙げられます。自分たちが実施する工事の内容と受け取れる補助金の金額などを見比べながら、資金面の負担を大きく軽減できるものを選んでみてください。
子育てエコホーム支援事業の補助金はどうやって受け取ればいいの?
「子育てエコホーム支援事業」の補助金は、建築費用を支払うときに充当する形で還元されます。例えば建築費用が4,200万円、補助金額が100万円だった場合、建築費用の支払い時に補助金額が反映され、4,100万円が請求されます。
もし何か事情がある場合は、補助金を現金で受け取ることも可能です。エコホーム支援事業者と契約する際に話し合い、納得できる方法で補助金を受け取りましょう。
子育てエコホーム支援事業で受け取った補助金は課税対象になる?
補助金は「一時所得」という区分に該当するため、基本的には一定額以上は確定申告をして、金額に応じた税金を納めます。ただし「子育てエコホーム支援事業」で受け取る補助金は所得税法第42条第1項に該当し、手続きをすることで課税対象から除外できる場合もあります。詳しくは、所管の税務署の窓口等に尋ねてみてください。
出典:子育てエコホーム支援事業|子育てエコホーム支援事業 よくある質問 全体
子育てエコホーム支援事業を使って子どもと環境に優しい家を建てよう!
「子育てエコホーム支援事業」は、注文住宅の新築や新築分譲住宅の購入をすると、最大100万円の補助金を受け取れる制度です。長期間住み続けられる「長期優良住宅」もしくは環境に優しい「ZEH住宅」に住もうとしている子育て世帯と若者夫婦世帯を対象としており、マイホームを購入する際の資金面の負担を軽減できます。
「子育てエコホーム支援事業」の交付申請期間は2024年12月31日までですが、予算に達した場合は予定より早く受け付けを締め切ります。予算の残りの割合は公式サイトのトップページに掲載されているので、こまめに確認しながら早めに契約・申請に取り掛かるのがおすすめです。
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